鍼灸名人を育てる会     平成27年2月25日     講師 有留秀雄

要旨抜粋

今回はNHKや乳酸菌研究機関などが盛んに発表されている、腸内フォローラの勉強を鍼灸師の立場から学ぶ事にしました。
あくまでも、東洋医学的な発想から、現代の最先端の予防医学を考えるので、無理のある部分が生じます事をお許し下さい。

漢方や東洋医学を志した方は、於血・腸毒等の言葉を認知されていると思います。

実治療を行うと、必ずといって良いほど、この言葉に当たります。

血の道の頭痛、肩こりの頭痛では無い。血頭と呼ばれる頭痛である。(肩こりをきれいに消去すると、多くの頭痛は消去するのに、この頭痛は全く変化をしないで、痛み続けます。)

強い便秘症や臭いおなら等の付随症状があります。(時に生理不順や生理前駆症状として現れたりします。この関係から生理⇒血液、於血)


我々の腸管内では多種・多様な細菌が絶えず増殖を続けていて、色々な物質を腸内で産生していると考えられていました。
これらは腸内細菌と呼ばるもので、個複雑な微生物生態系を構築しています。微生物群集を「腸内フローラ」または「腸内細菌叢」と呼びます。

フローラ(Flora)は分類用語で植物群の集を指します、昔は細菌は植物の一部として分類していたのです。
ギリシア神話の花女神をも意味しています。

腸内細菌の数はおよそ100兆個、その種類は一人あたり数百種にのぼり、構成は食習慣や年齢などによって一人ひとり
異なります。


 この腸内フローラは、腸の中で様々な生理作用を起こす物質を産生しています。
有用な物としては、病原菌の定着阻害、免疫系の活性化、ビタミンの産生などです。
有害な物としては、腐敗産物や発がん物質の産生、各種腸疾患発生物質が挙げられます。

生活習慣病は、じわじわとくすぶる「腸から始まる慢性炎症」と関わりがあることが分かってきました。
バクテロイデスは肥満防止・エクオールは老化防止やシワを浅くしたり更年期障害軽く遅くする働きがあり、女性には最高の善玉菌です。


東洋医学の三焦と大腸は

先秦時代から存在している中国医学の重要な概念で,古い文献では五蔵六府とされている。
五臓とは心,肝,脾,肺,腎の5種の,六腑とは胆,胃,大腸,小腸,三焦,膀胱の6種の臓器の総称である。
臓は精神,血気を貯蔵する充実した器官で,腑は水や穀物を消化し,体液を動かす中空の器官であるとしている。

三焦は、上焦、中焦、下焦の総称。上焦は心臓の下と胃の上の部分。
中焦は胃の中央。下焦は排泄関係の部分で膀胱の上の部分。主に中医学で使われる。

上焦 空気より酸素を取り入れて焦がす(現代の肺の働き)
中焦 水穀を焦がし、栄養を生じる(脾や胃の働き)。
下焦 人体の中を守る気を栄気(えいき)、人体を外敵から 守る気を衛気(えき)と言います。 



大腸きに関係あるツボ

曲池鬼臣 陽沢)
   皮膚病・瘰癧・化膿性疾患・すべての眼科疾患・上肢の神経痛と痺・大腸経の表熱、月経不順・頭痛
   肩こり・歯痛等
   皮膚病・瘰癧・化膿性疾患は手の三里と併用、眼科疾患は合谷と併用、歯痛・喉頭痛は手の三里、温溜
   合谷と併用

養老
   瘍や疔の化膿性疾患の特効穴、化膿性疾患には大腸経の合谷、三里、曲池と併用する

天枢(長渓 穀門)
   消化器、泌尿器、生殖器の各疾患に用いる。特に大腸疾患(下痢・便秘)
   消化器の機能を整える必要のある呼吸器や心臓及び脳神経疾患

水分(分水 中守)
   胃疾患(胃下垂、胃アトニ―)胃内停水、腎炎、小便不利、違尿症、腹膜炎、腹水

気海(下肓)
   腸疾患(腸カタル、腸疝痛、腸出血、盲腸炎)官能的疾患(ヒステリー、精神病、鬱病
   泌尿器、生殖器疾患、子宮筋腫、月経不順、腹膜炎、腰痛、下肢の冷感

   @大腸に効果のあるツボが精神疾患や鬱症状などに効果があるか理由が解る。
   A腸の働きを整える事で、皮膚疾患が改善する事は良く知られていました。